SEO対策のメリット・デメリット
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要約
- インターネット広告とSEO対策には、それぞれ異なるメリット・デメリットがある。
- 初心者には、即効性があり、予算さえ確保すればすぐに実行できるPPC広告がおすすめ。
- 多くの事業主は、まず最初にSEO対策に目を向ける傾向がある。
PPCとSEO、どちらを選ぶべきか
自社・他社を問わず、ウェブサイトを公開する以上、何らかの目的があるはずです。
一般的には、インターネット上で情報発信を行うのであれば、多くの人にサイトを訪れてもらうことが理想的といえます。
サイトへの集客手段は多岐にわたります。その中の一つが、PPC(有料広告)です。
たとえば、リスティング広告やディスプレイ広告といった広告配信サービス(Googleなど)に対して費用を支払い、広告を掲載することで、見込み客を自社サイトへ誘導します。
一方、検索エンジン経由の集客には、直接的な費用が発生しない方法もあります。
オーガニック検索の流入やSNSを活用する手法が代表的で、その中には「SEO対策」も含まれます。
こうした対策により、自然検索からのアクセス増加を目指すことが可能です。
SEO対策のデメリット
職業柄、オーガニック検索を強化する=SEO対策を優先して勧めると思われがちですが、実際には企業や店舗経営者の方には、まず有料広告(PPC広告)をおすすめすることが多いです。その理由は以下の3点です。
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即効性がある
有料広告は、ある程度の準備が整っていれば即日から配信できます。また、リスティング広告を利用した経験のある方は比較的多く、相談相手を見つけやすいのも利点です。 -
資金があれば成果につながりやすい
費用対効果は別として、投資した分だけ確実にアクセスを得られます。これは時間と労力を要するSEO対策とは大きく異なり、すぐに訪問者数を増やしたい場合には有効です。 -
仕組みがわかりやすい
広告掲載には品質スコアなどの要因もありますが、基本的には費用をかけた広告が優遇される傾向があります。そのため、テキストや画像主体のシンプルなページでも、短期間でアクセスを集められます。
以上の3点を踏まえ、右も左も分からない初心者の方には、まずリスティング広告をおすすめすることが多いのです。
SEOをやりたがる理由
不思議なことに、多くの方が最初にSEO対策を望みます。
特に、Webマーケティングのリテラシーが低い場合、その傾向はさらに強くなりがちです。
その理由として、主に以下の2点が考えられます。
費用がかからない(または安い)と思っているから
自分でSEO対策の技術を身につければ、「お金をかけずに実行できる」と考える方は少なくありません。
確かに、外部に依頼せず自力で進めれば金銭的コストは抑えられます。しかし、その代わりに「時間」というコストを多く要します。
本業が別にある場合、SEOの学習や実践、分析には膨大な時間や労力が必要です。
コンテンツ制作やサイト修正、外部要因の整備など、求められるスキルは幅広く、専門性も高まっています。
また、Googleのアルゴリズムは「E-E-A-T」を重視しているため、その道のプロや信頼できる組織が発信するコンテンツが評価されやすくなっています。
本業で専門性を発揮できる人でなければ、SEOへの莫大な労力は非効率かもしれません。
簡単だと思っているから
Googleのアルゴリズムは常に進化しており、SEO対策は試行錯誤を繰り返しながら成果を積み重ねるプロセスです。
一時的に書籍やWebサイトを流し読みして解決できるものではありません。
実際の現場でデータを分析し、継続的に対策を打ち続ける環境や体制が不可欠です。
既に多くの競合が存在する中で、質・量の両面で優れたコンテンツを提供しなければ順位向上は見込めません。
もし本当に「誰でも簡単にSEO上位表示が可能」だとしたら、それは「インターネット上で常に最大級の広告枠を無料で確保できる」ことと同義で、すでにどんなビジネスでも成功できる力を持っているはずです。
しかし、現実はそう甘くありません。
SEO対策は時間やリソース、専門知識が求められる複雑な取り組みであり、「費用がかからない」「簡単にできる」という考えは誤解だといえるでしょう。
SEO対策のメリット
これまで述べてきたように、SEO対策には多くの課題があります。それでもあえてチャレンジする価値があるのはなぜでしょうか。
長期的な資産となる
有料広告とSEO対策の違いを、「有料広告=信頼を買う行為」「SEO対策=信頼を得る行為」と考えるとわかりやすいかもしれません。
どちらも集客を目指す手段ですが、有料広告は費用を支払い続けなければ成果が止まる「掛け捨て型」であるのに対し、SEOは信頼を積み重ねる「積み立て型」です。
有料広告は配信をやめた瞬間、流入が止まってしまいます。一方、SEO対策で検索エンジンから得た評価は、基本的に急激に失われることはなく、長期的な資産として残り続ける可能性が高いと考えられます。
成約率やクリック率が高くなりやすい傾向
経験則ですが、オーガニック検索からの流入のほうが、リスティング広告(有料広告)からの流入よりコンバージョン率が高いケースがあります。ただし、広告を見たユーザーが改めて検索し直して訪れる場合など、様々な要因が関わるため、一概には断定できません。
それでも、ユーザーが広告枠を「広告」として理解していることは確かです。
実際、検索結果におけるクリック率の調査では、オーガニック検索のほうがリスティング広告より2~4倍程度クリックされやすいというデータも報告されています。これらの傾向は、ぜひご自身で最新の情報を調べて確かめてみてください。
Organic vs PPC in 2020: The CTR Results
まとめ
本記事でお伝えしたかったのは、「なぜSEO対策を行いたいのか」を明確にしてほしい、という点です。
多くの方は最初にSEO対策へと目を向けがちですが、初期段階では有料広告を試すほうが無難な場合も多いです。
特に、「○○位まで上がるのに何ヶ月かかるか」「アクセス数がいつ伸びるか」といった、そもそもSEOの仕組みを十分に理解していない場合には、即日結果の出る有料広告がおすすめといえます。
また、個人的な経験ですが、URLを送られて「改善箇所を教えてほしい」と頼まれるケースがよくあります。
本気で調査するには多くの時間と労力が必要です。
信頼関係のある知人やクライアントであれば問題ありませんが、そうでない場合にはかなりの負担になります。
このように、SEO対策は簡単に成果が出るものではなく、すぐに効果を実感できる手段でもありません。
それでもなお、SEOの道を選ぶのであれば、決して楽な道ではありませんが、その先には努力に見合った大きなリターンが待っているかもしれません。
YouTube動画 – 柏崎剛SEO対策チャンネル
よくある質問
📕SEO対策は必要ですか?
📖必要な場合があります。ビジネスの種類や目的によっては、自然検索からの流入を増やすことで、長期的な集客基盤を築くことができます。
📕SEO対策はもしかして必要ないのでは?
📕SEO対策は意味ないですか?
📖意味がないわけではありません。ただし、すぐに結果が出ないことも多く、競合やアルゴリズム変動の中で試行錯誤が求められます。長期的な視点を持つ場合には、有効な手段となり得ます。
この記事の執筆者・監修者。当サイトの運営者で、目からウロコのSEO対策「真」常識の著者。主にSEOの考え方について、現場での経験から、どのようにGoogle検索エンジン対策を行えばよいかを具体的に解説できるよう努めています。再検索キーワード調査ツール、トピッククラスター構築ツール、共起語検索ツール、競合キーワード調査ツール、キーワード候補調査ツール、検索ボリューム調査ツール、見出し抽出ツール、サジェストキーワード取得ツール、MEO順位チェックツールの考案者であり開発者。更に詳しくはプロフィールをご覧ください。SEO対策のお仕事に関するご依頼・お申し込みは、こちらのフォームから承っております。