逆SEOは違法なのか？知らないと危険なリスクと見落としがちなデメリット

SEO Professional

柏崎 剛 (かしわざき つよし)

SEO対策研究室の室長、株式会社コンテンシャルの代表取締役を務める。長年WEB業界に携わった経験をもとに、SEO対策とAI活用を具体的かつ実践的に解説。SEOの技術的な部分だけでなく、コンテンツ戦略、内部設計、ページ速度の改善など、広く現場で活用できるノウハウを提供。実際の検証データや豊富な成功事例・失敗談も交えながら、すぐに役立つ施策をお伝えします。

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逆SEOはオワコン？それとも合法的な風評対策？

インターネット上に掲載されたネガティブな情報を検索結果から目立たなくさせる「逆SEO」。企業の風評リスク対策や、個人の誹謗中傷対策として注目されてきたこの手法ですが、近年では「逆SEO＝オワコン」と揶揄されることも少なくありません。

検索アルゴリズムが高度化する中、順位操作そのものが困難になっており、同時に法律との境界線も曖昧になっています。誤った方法で取り組めば、施策そのものが違法と判断されかねません。

本記事では、逆SEOがどのような場合に違法と見なされるのか、どのようなデメリットが潜んでいるのか、そしてなぜ「オワコン」とまで言われるのかを冷静に整理していきます。

逆SEOとは何か？その仕組みと手法の概要

逆SEOとは、ネガティブな情報ページの検索順位を押し下げ、ユーザーの目に触れにくくすることを目的とした施策です。

代表的な手法には以下のようなものがあります。

• ポジティブな記事や自社コンテンツを多数公開して検索結果上位を埋める
• サテライトサイトを構築して、自然なリンクで評価を分散させる
• 特定のページに対してペナルティを誘発するような外部リンクを意図的に送り込む
  ※これは後述する通り違法リスクが高い

本質的には「順位を上げる」ための通常のSEOとは異なり、「相手の順位を下げる」ことを目的とした戦略です。

違法になる逆SEOとは？ラインを越えるとどうなるか

逆SEOのすべてが違法というわけではありません。たとえば自社の好意的な情報を戦略的に発信することは、合法かつ自然な広報活動といえるでしょう。

ただし、以下のような手法をとった場合は、違法または刑事・民事上の責任を問われる可能性があります。

違法リスクが高い逆SEO施策

• ネガティブSEO（スパムリンクの送信）
  　対象サイトの検索評価を下げようと、大量のスパム的な外部リンクを張る行為。業務妨害罪や名誉毀損罪に該当する可能性があります。
• クローキングや隠しリンクなど、アルゴリズムを欺く行為
  　これは検索エンジンのガイドライン違反であると同時に、不正指令電磁的記録供用罪などの議論にもなりかねません。
• 成りすまし投稿や偽装レビューの大量送信
  　虚偽のレビューを投稿する行為は、不正競争防止法にも抵触するおそれがあります。

違法になり得る行為	想定される法的リスク
スパムリンク攻撃	名誉毀損、業務妨害（刑事・民事）
クローキング等の技術的欺き	ガイドライン違反、契約違反、場合によっては刑事責任
虚偽レビュー投稿	不正競争防止法、信用毀損罪など

逆SEOのデメリットは？必ず知っておくべき注意点

逆SEOを軽視して「とりあえず目立たなくできればいい」と考えていると、思わぬ損害を被るおそれがあります。

ここでは代表的なデメリットを見ておきます。

一時的な効果しか期待できない

多くの逆SEO施策は、ネガティブな情報の順位を一時的に下げることには成功しますが、検索アルゴリズムのアップデートやリンク構造の変化によって、すぐに元の順位に戻ることが珍しくありません。

Googleのガイドライン違反＝自社にもペナルティ

検索エンジンは違反行為を厳格に監視しています。ガイドライン違反を含む施策を行えば、ペナルティは対象ページだけでなく、施策を実行したサイトにも波及する可能性があります。

ブランドイメージの悪化

施策が表面化した場合、「検索結果を操作している企業」として批判の対象になる可能性もあります。いわゆる「ステルス広報」や「印象操作」が世間的に受け入れられづらくなっている今、情報操作に対する世間の目は厳しくなっています。

なぜ「逆SEOはオワコン」と言われるのか？

現代のSEO事情を踏まえると、逆SEOが「オワコン」と評されるのも無理はありません。

その背景には次のような要因があります。

• 検索アルゴリズムの進化
  順位操作の痕跡を自動で検知・排除する仕組みが強化されています。
• ユーザー行動の多様化
  検索エンジン以外に、SNSやYouTube、口コミアプリなど多様な情報源が使われており、「検索結果の順位」だけでは情報支配が困難になっています。
• ガイドライン違反への厳罰化
  Googleは違反行為に対して手動・自動の両面から厳しく対応しており、1つの違反がドメイン全体の信用失墜に繋がるケースもあります。

以上のような理由から、逆SEOはリスクばかりが高く、効果が持続しない手法と見なされ、淘汰されつつあるのです。

法律を遵守した風評対策とは？持続性と信頼性を両立する方法

逆SEOのような“抜け道的”な施策ではなく、正当な手段でネガティブ情報に対応することが今後の主流です。

• 弁護士による削除請求
  プロバイダ責任制限法に基づき、発信者情報の開示請求や削除請求を行うことができます。
• Googleへの削除申請
  誹謗中傷、個人情報の公開などに該当する内容であれば、Googleに直接削除を申請する制度が整備されています。
• ポジティブな情報発信による上書き
  自社サイトや公式ブログ、SNSを通じて正確で信頼性のある情報を積極的に発信し、検索結果全体の質を上げる戦略が有効です。

このような手法は法的にも倫理的にも安定しており、長期的にブランドを守るうえで確実な選択といえます。

まとめ

逆SEOは「グレーゾーン」ではなく、法的責任を問われる行為になり得ます。

逆SEOに手を出す前に確認すべきポイントは次の3つです。

1. 施策内容が検索エンジンのガイドラインに抵触していないか
2. 対象コンテンツの管理者に対し、違法性のある手段を用いていないか
3. 専門家（弁護士または信頼できるSEOコンサルタント）の監修を受けているか

これらを怠ったまま施策を進めれば、検索順位の一時的な下落では済まず、損害賠償や刑事責任にまで発展するおそれがあります。「見えなくする」ことではなく、「正しい情報で打ち消す」ことを軸とした風評対策こそ、現代的かつ持続可能な戦略です。

逆SEOを検討している時点で、すでに大きなストレスやリスクを感じているかもしれません。しかしそのようなときこそ、焦って“近道”に飛びつくべきではありません。合法的かつ倫理的な解決策を選ぶことが、あなたの事業や人生を守る最善の選択肢です。

よくある質問

📕逆SEOとは何か？業者に依頼する意味はあるのか？

📖逆SEOとは、検索結果でネガティブなページの順位を下げ、ポジティブな情報を相対的に上位に押し上げる施策です。風評被害や誹謗中傷の対策として利用されることが多く、通常のSEOよりも制御が難しい点が特徴です。上位に押し上げる対象サイトの設計や外部リンク管理などには専門的な知見が求められるため、実績ある業者に依頼するほうが現実的な対応となりやすい傾向があります。

📕逆SEOの費用はどれくらいかかる？安く済ませる方法はある？

📖逆SEOの費用はケースによって大きく変動し、月額で20万円前後から、高額なものでは100万円以上かかる例もあります。対象ページの検索順位や影響範囲、掲載サイトのドメインパワーなどが費用に影響します。個人で安価に対応しようとしても、検索順位のコントロールには高度なSEO設計が求められ、失敗時のリスクも高まるため、費用対効果を踏まえて信頼できる業者に見積もりを依頼するのが現実的です。

📕逆SEOは自分でできるのか？注意点は？

📖個人が逆SEOを実施する場合は、ネガティブな検索結果より上位に表示されるページを新たに作成し、検索エンジンに評価されるよう育てる作業が中心となります。たとえば、自社ブログ・SNS・プレスリリースなどを適切に運用し、ドメイン評価を高める手法です。ただし、他人のサイトの評価を意図的に下げようとするネガティブSEOは検索エンジンのガイドラインに反しており、倫理的・法的な問題も含むため厳重に避ける必要があります。