ロングテールキーワードとは?ビッグキーワードだけじゃないニッチキーワードの選定方法
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要約:
- ネット販売において、人気の少ない商品群の売上が人気商品の売上を数で上回る現象が語源。
- ユーザーの検索ニーズの把握が容易、コンバージョン率を高められるといったメリットがある。
- ロングテールキーワードは、スモールキーワードやニッチキーワードとも呼ばれる。
はじめに
SEOの基本であるキーワード選定は、一般的に「ビッグワード」「ミドルワード」「スモールワード」の3つに分類されます。
それぞれのキーワードに対するSEOの手法や特徴は異なりますが、その中でもスモールワードは「ロングテールキーワード」とも呼ばれ、検索上位を狙うために欠かせないキーワードとなっています。
検索結果の上位に表示されやすいので、ロングテールキーワードによるSEO対策は非常に魅力的ですが、ただ単にスモールワードばかりを使えばいいというものではありません。
では、このロングテールキーワードとは具体的にどのようなキーワードなのでしょうか。
このページでは、ロングテールキーワードの選び方や、検索結果の上位に表示させるためのテクニックを紹介します。
ロングテールキーワードとは何か?
ロングテールキーワードとは、複数の小さなキーワードを組み合わせた検索キーワードの塊ことで、月間検索ボリューム(検索数)が少なく、検索需要があまり無い点から、「スモールワード」や「ニッチキーワード」とも称されます。
例えば「パソコン」という検索キーワードから派生するロングテールキーワードは以下のようなものがあります。
サイトが訪問者に求める最終的な行動をコンバージョンと呼びますが、アクセス数に対してコンバージョンがどれほど発生したかといった割合を示す数値をコンバージョン率(CVR)と言います。
ロングテールキーワードは、検索数は少ないものの、このコンバージョン率が非常に高いキーワードです。
ロングテールキーワードの語源は、主にネット上の販売において、売れ筋のメインとなる商品の売上よりも、あまり売れることのないニッチな商品群の売上が、合計金額で上回る現象のことです。
「売れ筋商品」と「それ以外の商品」を並べたとき、個々の売上が少ない商品郡(テール)が低く長い恐竜のしっぽのように見えることから、「ロングテール」という名称になりました。
この理論をSEOに置き換えたものが「ロングテールキーワードによるSEO対策」となります。
ロングテールキーワードをうまく活用することができれば、トラフィック(PV)やコンバージョンを効率よく向上させることができるでしょう。
ロングテール以外のキーワード
ロングテールキーワードとスモールキーワードの他に、SEOを行う上で覚えておくべきキーワードの種類は、「ビッグキーワード」と「ミドルキーワード」です。
ビッグキーワードとは、Googleといった検索エンジンで月間検索ボリュームが大きく、競争力が高いキーワードのことを指します。
一般的にはビッグキーワードは1単語であることが多いのですが、月間検索数が72,400もある「不動産+売却」といったキーワードであれば、2単語でもビッグワードとして扱われることがあります。
検索回数が多いので上位表示化が実現できれば、オーガニック検索から多くの流入を期待することができます。
しかしながら、競合するサイトも多く、強力なライバルが立ち並ぶ激戦区となっている事が多いため、競争率が高く、上位表示を行うには難易度が高くなっています。
もう1つにミドルキーワードがありますが、その名の通りビッグキーワードとロングテールキーワード(スモールキーワード)の中間に位置するキーワードのことです。
競争率は中規模で、検索回数はおおよそ10,000回以下のキーワードのことを指します。
そのほとんどが2つの単語を組み合わせたキーワードで構成されてるので、ビッグキーワードほど月間検索数が多くはなく、スモールキーワードほどは需要が高くありません。
このようなキーワードの特性・難易度・検索数といったデータは、下記のキーワード難易度調査ツールで取得できます。
ロングテールキーワードのメリット
ロングテールキーワードを使用する上での3つのメリットを紹介します。
- ユーザーの検索ニーズの把握が容易
- コンバージョン率を高められる
- 上位表示化が容易
ユーザーの検索ニーズの把握が容易
ビッグワードの場合、1単語である事が多く、そのものについてのテーマが広すぎるので、ユーザーがどのようなニーズを持っているか把握しづらい場合がほとんどです。
それとは逆にロングテールキーワードは、複数個のキーワードを組み合わせたニーズで構成されている為、検索意図の把握がしやすく、どのようなコンテンツを用意するべきかが比較的わかりやすくなります。
「パソコン」というキーワードで検索するユーザーは、「パソコンの修理」であったり、「パソコンの買取」、「パソコンの購入」というように、ニーズがバラバラの可能性があり、1つのキーワードで検索意図を絞り込むことは非常に困難です。
語数が多くなればなるほど、具体的なユーザーのニーズを把握することが出来るので、1人1人の持つ要望の一番近い答えを導き出しやすくなります。
つまり、「パソコンの修理」を行いたいユーザーには、自分で出来るパソコンの修理方法やパソコンの修理屋さんを紹介したり、「パソコンの購入」であれば、おすすめのパソコンレビューや、購入が可能なパソコンショップを紹介することが出来るので、求められた情報を的確に訴求を行うことが可能となるでしょう。
それ1つでは、サイト対して多くの流入は見込めないものの、ユーザーのニーズに則した明確な答えを提供することが出来るのです。
コンバージョン率を高められる
単語の数が多く、検索クエリが長いほど、ユーザーは具体的な疑問や悩みを持っている傾向が高くなります。
「パソコンを安く買いたい」や「ノートパソコンを即日修理したい」と検索してくるユーザーは、何を求めているかがハッキリとしています。
昨今では、音声検索やスマートフォンの普及により、検索リテラシの高くない方でも、気軽に検索エンジンを利用できるようになりました。
そのため、サイト運営者側においても、ロングテールキーワードによる流入を狙ったコンテンツを用意しておくことで、ユーザーの悩みをいち早く、適切に訴求することが出来るようになりました。
商品を販売しているようなサイトでは、ユーザーがどの段階にいるかを、キーワードを分析することにより把握がしやすくなります。
購入に至るまでの見込みが薄い、ビックキーワードを使ったざっくりとしたキーワードで流入してきている段階のユーザーには、幅広く商品の解説や情報提供を行う必要があります。
逆に、既に具体的なロングテールキーワードである「商品の型番+即納」といった急ぎのクエリや「製品名+安い+ローン」といった既に購入段階にいるような的の絞れた検索クエリで流入してきたユーザーは、まだ検討段階のユーザーよりもコンバージョンに繋がりやすいといった考え方が出来ます。
上位表示化が容易
察しがつくかと思いますが、スモールキーワードの集合体であるロングテールキーワードは、検索数の多いビッグキーワードよりも、当然の如く競合するライバルサイトは少なく、意図的にSEO対策を行っているページも少ないので、上位に表示される可能性が高まります。
難易度の非常に高い「スマホ」というキーワードは、月間検索数が440,000回という超ビッグキーワードになりますが、仮にも上位表示することができれば、大量の流入が期待できる上に、他メディアでも取り上げられて一躍有名サイトとなることでしょう。
しかしながら、この検索クエリでは、簡単に検索結果の上位に表示されることは考えにくく、到達するまでには、多くのリソースや時間、資金を費やすことになるでしょう。
そこで、「スマホ 安い おすすめ」というロングテールキーワードに切り替えれば、月間検索数は800にまで落とせることになるので、その労力は単純計算で1/550となることがわかるかと思います。
つまり、検索数が小さければ小さいほど、流入数は減ってしまうものの他サイトとの競争率が低くなるので、上位表示化できる可能性が上がります。
ロングテールキーワードのデメリット
上記ではメリットを3つ解説しましたが、次はロングテールにおけるデメリットを2つご紹介します。
- 獲得できるトラフィックが少なくなる
- 大量生産の類似コンテンツが生成される
獲得できるトラフィックが少なくなる
前述したように、月間検索数が440,000回の「スマホ」と比較して、「スマホ+安い+おすすめ」は、800回と大きく減少します。また、「スマホ+最新機種」であれば1,040回、「スマホ+中古+格安」であれば約100回と、ビッグキーワードと比較すると雀の涙ほどのトラフィック数しか期待できません。
検索数が少ない分、ビッグワードよりも深く、確度の高いユーザーニーズをしっかりと分析することで、コンバージョン率やクリック率を高める手段で対抗するしか方法がありません。
また、深刻な状況をいち早く解決する為の緊急性の高いコンテンツを設置することも効果的です。
大量生産の類似コンテンツが生成される
このようにロングテールキーワードを意識したコンテンツ制作を行うと、知らぬ間に細かいキーワードを狙った内容の薄いページ大量に出来てしまうといった問題が発生します。
ロングテールキーワードは、月間検索数がそもそも少ないため、数で勝負しがちになりますが、ただ闇雲にコンテンツを作り続けるのではなく、足りないニーズを補い、重複したページは削除したり移動したり、整理整頓を行うことがロングテールキーワードを運用する上で欠かせなくなります。
この問題を解決する方法の1つに、トピッククラスターモデルというサイト構造をお勧めしていますが、既にページが乱立してしまった状態から改修を行うには、少々骨の折れる作業になることが予想されます。
まずは、ロングテールキーワードによるコンテンツ制作を始める前に、その概念と実装方法について学んでおくと良いでしょう。
ロングテールキーワードの調べ方と選び方
ロングテールキーワードは、Googleの関連キーワード、つまり再検索キーワードやサジェストキーワードを調査すると効率的に調べることが出来ます。キーワードプランナーといったGoogle公式のツールなどを使っても、細かいキーワードを見つけることができます。
調査を行う際は、できるだけテーマに沿ったビッグキーワードで検索を行うと、関連するキーワードが複数集めることが可能です。この複数集めた関連キーワードから、更に関連キーワードを深ぼるテクニックも存在しますが、それぞれの関連キーワードの特性や意味などをしっかり把握して、幅の広いキーワード戦略を組み立てることをお勧めします。
詳細は、下記のページで紹介しています。
その他にもキーワード検索ツールは多種多様に存在しますが、その特徴や利用目的に合わせて活用することをお勧めいたします。
まとめ
SEO対策では、ほぼ常識と言えるロングテールキーワードですが、その特性をしっかりと把握することが最初の一歩です。
「ユーザーの検索ニーズの把握が容易」「コンバージョン率を高められる」「上位表示化が容易」といった点を踏まえて、上手にコンテンツを作成することが求められます。
ビッグキーワードを上位表示化することが、一番インパクトが大きく、トラフィックを確保する近道にはなりますが、まずはこのビッグキーワードを攻略する為にも、ベースとなるロングテールキーワードでウェブページをコツコツ作成することをお勧めします。
高品質な情報でドメインを育て上げ、いずれはミドルワード、最終的にはビッグワードの狙えるような優秀なサイトを目指せるように、しっかりとした管理と運用を心がけると良いでしょう
YouTube動画 – 柏崎剛SEO対策チャンネル
よくある質問
📕 効果的なロングテールキーワードの選び方を教えてください。
📖 効果的なロングテールキーワードを選ぶには、まずメインとなるビッグキーワードを決定し、それに関連する複数語の組み合わせを洗い出します。次に、サジェストツールやキーワードプランナーを使用して、検索ボリュームや競合性を確認します。検索ボリュームが低すぎず、競合が少ないキーワードを選定することで、上位表示の可能性が高まります。また、ユーザーの検索意図を深く理解し、具体的なニーズに応えるコンテンツを作成することが重要です。
📕 ロングテールキーワードの具体例を教えてください。
📖 例えば、「SEO」というビッグキーワードに対して、ロングテールキーワードとして「SEO 初心者 ブログ 書き方」や「SEO 対策 無料 ツール」などが挙げられます。これらは具体的で検索意図が明確なため、ターゲットユーザーに対して有益な情報を提供しやすく、コンバージョン率の向上にも繋がります。ロングテールキーワードを活用することで、ニッチな市場での競争力を高めることが可能です。
📕 ロングテールキーワードを見つけるためのツールは何がありますか?
📖 ロングテールキーワードを見つけるには、以下のツールが有効です。「ラッコキーワード」は、関連するサジェストキーワードを一覧表示し、検索ボリュームも確認できます。「Googleキーワードプランナー」は、特定のキーワードに関連する検索ボリュームや競合性を提供します。「Googleサーチコンソール」は、実際にユーザーが検索して訪問したクエリを把握でき、既存コンテンツの最適化に役立ちます。これらのツールを組み合わせて活用することで、効果的なロングテールキーワードの選定が可能です。
この記事の執筆者・監修者。当サイトの運営者で、目からウロコのSEO対策「真」常識の著者。主にSEOの考え方について、現場での経験から、どのようにGoogle検索エンジン対策を行えばよいかを具体的に解説できるよう努めています。再検索キーワード調査ツール、トピッククラスター構築ツール、共起語検索ツール、競合キーワード調査ツール、キーワード候補調査ツール、検索ボリューム調査ツール、見出し抽出ツール、サジェストキーワード取得ツール、MEO順位チェックツールの考案者であり開発者。更に詳しくはプロフィールをご覧ください。SEO対策のお仕事に関するご依頼・お申し込みは、こちらのフォームから承っております。