LLMs.txtとは?

dateModified:2025年10月2日 09:24

LLMs.txtとは、Webサイトの運営者がAIやLLM(Large Language Models:大規模言語モデル)によるコンテンツ利用を適切に管理・制御するために作成するテキストファイルです。AIが広く普及した現代において、新しい形式の管理方法として注目され、robots.txtやsitemap.xmlと並んで重要な役割を果たすようになっています。AI技術の発展に伴い、サイト管理者が望む範囲内でコンテンツをAIエージェントに提供する必要性が高まったことから登場しました。

LLMs.txtとは

LLMs.txtは、AIやLLMエージェントによってサイトのコンテンツがどの範囲まで利用可能かを記述するファイルです。具体的には、Webサイトのルートディレクトリに配置され(例:https://www.tsuyoshikashiwazaki.jp/llms.txt)、AIによるアクセス制限や許可を詳細に記載します。サイト運営者がAIエージェントに対し、コンテンツの許諾範囲を明示することで、不要な情報の誤用や無断使用を防ぐことが可能となります。

記述方法と具体例

LLMs.txtはシンプルなtxt形式で記述され、内容としてはAIエージェントの指定とアクセス範囲の制御が中心です。一般的な記述方法の例を以下に示します。

サイト運営者は、この基本形式を参考にしながら、自身のサイト構造や提供したいコンテンツの種類に応じてカスタマイズできます。

導入のメリット

LLMs.txtを導入することにより、サイト管理者はコンテンツがAIに無断利用されることを防ぎ、コンテンツ利用の透明性を確保できます。また、AIエージェントが適切に許可された範囲で情報を収集できるため、サイトの信頼性が向上し、質の高い情報提供が可能となります。さらに、AIによる正確な情報引用が増えることにより、間接的なSEO効果(例えば、質の良いトラフィックやリンクの獲得などを期待できます。

llms.txtは本当に使われ始めたのか?

以下のように、X(旧Twitter)でKlaas(@forgebitz)氏が「ChatGPTがllms.txtを使い始めているようだ」と投稿し、話題を呼んでいます。

この投稿に添付された画像には、ChatGPTが「Checking //llms.txt and related blog articles」と表示している様子があり、まるでサイト側で設置したllms.txtを実際に参照しているかのように見えます。

コミュニティでは「これが標準化につながるのではないか」という期待と、「現状ではまだテスト段階に過ぎないのではないか」という懐疑的な意見が入り混じっています。もし本当にChatGPTがllms.txtを解釈するようになれば、SEOにおけるrobots.txtのように、AIに対する新しい情報利用ルールが形成される可能性があります。ただし現段階では、公式仕様やガイドラインは存在せず、動向を注視する段階にあるといえるでしょう。

Googleも見ている?

Crystal Carter氏はXで「Googleがllms.txtをクロールし、実際にインデックスしている」と報告しています。

実際に「site:*/llms.txt」で検索すると3万件以上がヒットしており、Nvidia、Perplexity、Klarnaなど大手サービスのllms.txtが検索結果に表示されます。さらに一部の結果では、ページの途中にあるテキストがスニペット化されていることから、Googleが通常のページと同じようにクロールし、コンテンツを解析していることが伺えます。

また、テキストの完全一致検索でもllms.txtファイル自体が検索結果に現れ、llms-full.txtが通常ページと並んで一般的な検索クエリにランクインする事例も確認されています。これは、Googleが単に存在を認識しているだけでなく、内容をインデックス対象として扱っていることを意味します。

もっとも、現時点ではrobots.txtのような公式仕様としてGoogleが従っているわけではありません。llms.txtはまだ提案段階の仕組みにすぎず、SEO評価や検索順位に直結するものではないでしょう。ただし、検索エンジンが既にクロール・インデックスしている事実を踏まえると、将来的にAI時代の新しいシグナルとして発展していく可能性は十分に考えられます。

導入時の注意事項

LLMs.txtを適切に活用するには、定期的な内容確認と更新が必要です。新しいコンテンツやページを追加した際には、LLMs.txtの内容を適切に更新することが推奨されます。また、外部サービス(例えばAWSなど)との連携時には、それらのサービスがLLMs.txtに対応しているか確認する必要があります。特にサイトが多様なコンテンツを持っている場合は、詳細設定が可能なllms-full.txtを活用することも検討すべきです。

関連するファイル

LLMs.txtは、従来からWebサイト管理に利用されているrobots.txtsitemap.xmlと併用することで、Webサイトの管理がより効果的になります。robots.txtは検索エンジン向けのクロール制御を、sitemap.xmlはサイト構造やページ情報を検索エンジンに知らせる役割を担っています。それらと併用することで、サイト運営者はAI時代に適した包括的なWebサイト管理が可能になります。

私が開発した「llms.txt」自動生成プラグイン

検索エンジンのクローリングやAI時代の情報整理を考えるうえで、llms.txtの設置はこれからのSEOにおいて大切な要素になっていくと考えています。ただし、従来のrobots.txtのように簡単にファイルを用意できるものではなく、手作業で管理するのはなかなか面倒です。

そこで私がWordPress向けに、llms.txtを自動で生成できるプラグインを開発しました。リポジトリはGitHubで公開しているので、自由にダウンロードして使っていただけます。インストールするだけで、自分のサイトに適したllms.txtを出力できる仕組みになっており、更新の手間も大きく削減できます。

まとめ

LLMs.txtはAI技術が進化する現代において、Webサイトの管理方法に新たな選択肢を提供するファイルです。コンテンツの利用範囲を明確にすることで、AIエージェントによる情報活用を適切に管理し、サイト運営におけるリスク軽減や信頼性向上を図ることができます。今後のWeb運営において、その役割はさらに広がっていくことが予想されます。

柏崎 剛

SEO Professional

柏崎 剛 (かしわざき つよし)

株式会社コンテンシャル

SEO対策研究室の室長、株式会社コンテンシャルの代表取締役を務める。長年WEB業界に携わった経験をもとに、SEO対策とAI活用を具体的かつ実践的に解説。SEOの技術的な部分だけでなく、コンテンツ戦略、内部設計、ページ速度の改善など、広く現場で活用できるノウハウを提供。実際の検証データや豊富な成功事例・失敗談も交えながら、すぐに役立つ施策をお伝えします。

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